東京都市大学 地学1 2009.10.8 第3回真核生物とエディアカラ生物群


第3回真核生物とエディアカラ生物群

今回の授業では約15億年前からの真核生物の誕生と6億年ほど前のエディアカラ生物群,そして,先カンブリア時代に地球を幾度かおそった超氷河期について講義しました.

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特にありませんでした

授業への要望,聞きたい話,質問

生痕化石は足跡など,生物の活動が残ったものとありますが,その足跡はどのくらいの時間がたつと化石になるのでしょうか.それとも地層の中にある時点で化石なのでしょうか.

厳密な答えがあるわけではないですが,私は地層の中に含まれた時点で足跡は生痕化石となると思っています.つまり,現在の砂浜に残っている足跡は化石とは呼ばないが,これに1枚でも堆積物の層が被さると,それでその足跡は化石と呼んで良いのではないでしょうか.とはいえ,どこから化石か,というのうはなかなか定義しずらいものです.本来現在と過去はつながっているわけですから,そこに切れ目を入れようとすると無理がでます.

真核生物の全長はどれくらいなのか?

300nmよりも大きく,鯨のように数10mに達します.一般的には原核生物よりも大きいサイズですが,300nmから1mmほどの大きさは,原核生物にも真核生物にも存在します.

日本でもT-REXの化石を見ることができるか?

今年の古生物学会で兵庫県から発見された“ティラノサウルス”類の化石が発見されたとの発表があった.これはティラノサウルス・レックスかどうかはわかりませんが,近縁の仲間でしょう.日本では近年恐竜化石の発見が相次いでいて,なかなか興味深いですね.恐竜については11月12日に大橋先生が特別講義をしてくれるので期待していてください.

文章のスライドはゆっくり見せてください

はい.

文章のパワーポイント画面ではもう少しゆっくりスライドを動かして欲しいです(時間をかけて次のページへ)

なるべくそうしますが,もし,そうしなかったらその場で待って欲しい旨の声をかけてくれるとありがたい.

始生代や原生代の時の当時の気象についてどのようなものだったのか推測されているのか?

気候ではなくて,気象ですか?うーーん.どうなんでしょう.大気や海の組成などについては研究されていますし,気候もある程度はある程度広範囲のものは研究されています.嵐の激しさについても若干の研究はありますね.これを気象という範囲でくくって良いのか疑問ですが.

DNAが抽出できれば生き物を再現できるんですか?

DNAを抽出しただけでは,その生き物を再現することができないでしょう.ただ,DNAが形態形成の基本を担っていることは確かですのですので,DNAを抽出し,それが発現する環境を作ってあげれば,そのDNAを持っていた生物を再現できるのではないでしょうか.詳しくは生物の先生に質問してください.

すぐに変わってしまうような歴史的発見を教科書に載せることに意味はあるのですか?

良い質問です.私は現在の高校などの教科書に大きな疑問を持っています.他の科目のことはあまり知りませんが,地学の場合は,ただ単に事象が羅列的に書いてあるだけで,なぜそう考えることが可能なのかという証拠など,考えの根拠が書いていないことがほとんどです.これでは地学がただの暗記科目になってしまうのがわかります.高校ぐらいの教科書にはきちんと証拠を載せるべきです.また,面白そうな結果だけを教科書に載せるのではなくて,まっとうな反論に関してはきちんと併記した方が良いでしょう.そういう議論が教科書に載っていた方が楽しいように思いますが,どう思いますか?