東京都市大学 地学1 2009.12.19 第12回 海へ潜る


第13回 地球温暖化 地球の気候システム

授業概要

今日の授業のキーワードは,炭素循環,メタン,ミランコビッチサイクル,氷期・間氷期,地球温暖化です.

配付資料

出席回答表

配布プリント

概要

過去の地球と比較すると,現在は比較的寒冷な氷河時代である.氷河期は氷期と間氷期の繰り返す時代であり,現在は間氷期という氷河期の中でも温暖な時代である.この氷期と間氷期は,地球の歳差運動(首振り運動,すりこぎ運動)や自転軸の傾斜角の変化,地球の公転軌道の離心率の変化といった要素の組み合わせによって,約10万年周期で氷期と間氷期のサイクルがおきている.

現在は間氷期であるので(正確な言い方をするならば後氷期という.間氷期は次に氷期が来たときに使える言葉である),しばらくすれば氷河期が訪れる.次の氷河期はいつ訪れるか?これはまだわからないが,いままでの周期からすれば,早くとも3000年後で遅くとも1万年後には氷期に突入するだろう.

現在の間氷期のはじまりは,約6000年前の縄文時代頃である.そのときは,現在よりも温暖で,海水面が約10m程度上昇していた.

最近,地球温暖化という言葉を良く聞くようになった.これは人類が温室効果ガスである二酸化炭素などを排出することによって地球が温暖化しつつあることが問題視されているのだ.IPCCでのモデルシミュレーションなどが正しいとすれば,ここ数十年の二酸化炭素濃度の上昇は人為的な原因以外考えられない.

最近気になっていることがある.地球にやさしくなどのスローガンである.皆はほんとうに「地球にやさしく」と考えているのだろうか?そもそもここでいう「地球」とはなんなのだろうか.疑問である.私には,このスローガンは「人類にやさしく」としか聞こえない.それをなんとなく聞こえのいいことばに直しているだけに聞こえるのだ.この「地球」の意味に,地球に成立している「生態系」のことを指しているなら,他の生物に人類の排泄物で与える影響を最低限にしよう,という意味では賛同できる.危惧していることは,仮に,これから数百年のうちに寒冷化がはじまることがわかったときに,人類はどうするのだろうか.しかも,その寒冷化が自然現象で起きたとき,人類はもしかして,「さあ,二酸化炭素をだしましょう!」というスローガンが始まりはしないだろうか.人類が地球の気候をコントロールするという構想がいつ出てきてもおかしくない.私はこれには反対だ.もちろん,色々な意見があるとは思うが,地球のシステムは人間がどうこうするべきものではないし,できるものでもない.地球をコントロールしようしたとき,より大きなしっぺ返しで人類が滅亡するのではないかと思っている.授業ではここまでは述べていないが,私の正直な気持ちである.人類はもっと謙虚に,自然にうまくあわせて生きれば良いのだと思っている.そういう意味では,現在の世界人口は多くなりすぎているように思える.日本の人口もそうである.現在の食料確保率で,いったい何人を養うことが可能なのか.それに合わせた人口管理を人類はそろそろする必要があるのだと思う.