Day 2, 30th, July, 2002
Ediacaran Fossil 2
Wilpena Group & Stromatlites

STOP5
Wilpena group ("Ediacaran system")の模式地の全景.あんまりわからないかもしれないが,緩やかな向斜構造がわかる.山脈の下の方に白い層が連なっているが,それがWonoka Formation.
STOP6 Bunyeroo creek -Brachina formation; "Bunyerichnus" site
非常に多様な表面をもつBrachina Formation.
剥離が良くて,地層面の良く観察できる.
Brachina Formationには,結構クロスラミナが入っている.このことから,Brachina formationの堆積場としてはprodeltaやwave baseでの堆積物だと考えられている.
このぶつぶつ下ものはMicrobial mat (バクテリアマット)のようなもの.
STOP 6, Bunyerro gorge - Sectional xposure of Acraman Ejecta layer in Bunyeroo Formation
赤茶けた泥岩の中に突然の礫岩層が出現する(2つ下の写真).これは,当時の隕石衝突に伴う津波堆積物だと言われている.
泥岩層は,基本的に赤茶けているが,一部緑色のところもある.これは含まれる成分の違いによる物.
これが問題の礫岩層.この層は,Flinders Ranges全体で追跡できる.隕石が落ちた場所は,この付近にあるLake Acramanがクレーターであるとのことだ.
STOP 7, Enorama Creek- Trezona Formation stromatolites
ストロマトライト〜〜〜!!
いくつかの層準でストロマトライトが観察できた.いやー,見事だね.
ストロマトライトとは,藻類やシアノバクテリアがマットを形成し,炭酸塩を沈殿させた結果にできたマウンド状の堆積構造をさす.
ストラマトライトの縦断面.上に向かって成長していることがわかる.
ストロマトライトに塩酸をかけたところ.シュワーッと泡立ち,確かに炭酸塩であることがわかる.
こんな風に棒状に成長したりする物もある.
再びストロマトライト.さっきとはちょっと層準がことなり,雰囲気も違う.ここの方がさっきよりもバクテリアマットらしい構造を残している.また,炭酸塩の割合も高くなっているようだ.
上のストロマトライトの拡大写真.
こんなストロマトライトもある.
STOP 8, Enorama Creek -Elatina tillite and the proposed Ediacaran GSSP at the base of the Nuccaleena Formation
エディアカラの化石が産出するEdiacara memerを含むWilpena groupとその下位のUmberatana groupの境界.ちょうど黄色い服の人の頭があるところが境界面.
上の境界直下の岩相.tilliteという氷河性堆積物である.このときにも氷河の溶けた証拠がある.
Stop 12, Brachina Gorge -Ediacara Member -Ediacara biota
いよいよエディアカラ動物群化石の採集だ.
左の写真の真ん中あたりがEdiacara memberである.
ちゃんと看板も立っている.
型も展示してある.なかなかの気合いのはいりっぷりだ.
型の拡大.これはDickisoniaという種類の化石.
さて,本物の化石を探していよいよ露頭のへばりつく.
ついに発見.見えるだろうか?真ん中の部分は壊れていてなくなっているが,周りの部分が残っている.エディアカラの化石だーー!!
さらに大物発見.50cm以上もあるDickisonia elongataが見つかった.
これは,なんだろうか?化石であることに間違いはないと思うのだが?
いかりみたいな化石.Parvancorinaという名前.
これは,よく見ると,三つの腕みたいなのが中に出ているのがわかる.恐らくTribrachidiumという化石であろう.
今日のところは,こんな感じだが,明日はエディアカラを最初に発見したところや,多数の化石が見つかっているところに行くとのこと.期待が高まる.
Stop 13, Brachina gorge -Precambrian/Cambrian boundary -Parachina Fornmation
エディアカラ動物群の産出するのはPrecambrianというカンブリア紀(Cambrian)よりも前の時代だが,そのPrecambrianとCambrianの時代境界を過ぎ,Cambrianの地層にはいると突然生痕化石が出現する.
Burrowが見える.幅2cm弱の生痕化石が穴を掘っているのがわかる.
これは,もう少し細いタイプの生痕化石.このような生痕化石がカンブリア紀にはいると突然増加する.生物の大爆発である.
Stop 14, Brachina Gorge- Wilkawillina Limestone archaeocyathid bioherm
カンブリア紀の石灰岩.この石灰岩はArchaeocyataという古杯類と呼ばれる生物によって形成された石灰岩です.古杯類はカンブリア紀の終わりに絶滅しましたが,カンブリア紀における礁形成生物として有名です.当時はサンゴ礁の代わりに古杯類礁が世界のあちこちで形成されていたことでしょう.
これが古杯類.何重かの円形構造をなしている.
これも古杯類.何匹も入っている.
この古杯類を取り囲むように黒い層が存在する.これは,Girvanellaというバクテリアで,実はこのバクテリアが石灰岩形成に大きな役割を果たしている.古杯類自体は石灰岩形成能力が低く,古杯類単体では礁の形成には至らない.このGirvanellaが古杯類を取り囲むことによって石灰岩化が起きているのだ.

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